X線による残留応力測定
X線を材料に入射させ、その反射X線回折角度から結晶格子定数を求めれば、対象とする原子が判りますが、逆に材料が明らかになっている場合には、格子定数のズレから材料、部材に負荷されている応力が計測できます。当社では、このX線応力計測器の販売、計測サービスを実施しています。装置は小型軽量であり、現場に持参して実機の応力を非破壊で計測できます。
X線回折法は、残留応力測定に多年の実績をもつ定評ある測定法です。この方法は標準となる"長さ"に結晶格子面間隔を用いることにより、金属材料・セラミックス等の多結晶性物質を測定することができます。
新開発のX線応力測定器Xstress 3000は、被計測物にきわめて微量のX線を露光して残留応力を測定する"露光検出技術"が最大の特長で,最新の半導体技術による計測の自動化と装置のポータブル化を追求したsin2ψ法のX線応力測定器です。
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注)当社は、Stresstech Oy (フィンランド)の日本における輸入販売総代理店として、本装置を販売しています。
主な用途
- 接合・溶接材の残留応力測定
- 各種ピーニングの残留応力分布測定
- 熱処理による残留応力除去・圧縮応力付与の効果確認
- 機械加工による残留応力確認
- 構造物の負荷応力測定
- 残留オーステナイト量の確認
主な特長
- 精度:
2つの高感度検出器、揺動機能(X線照射領域拡大)により粗大結晶粒の影響を低減 - 深さ分布測定:
電解研磨(電解反応による溶解)を用いた深さ応力測定 - ピンポイント測定:
φ0.8 mmの微小領域測定 - 現場計測:
タンク、フランジ、ローターシャフト、橋梁、構造物支柱等の現場計測
曲げ負荷とX線応力値との関係
X線による応力値 (MPa) |
4点曲げによる負荷応力値 (MPa) |
---|---|
13 | 0 |
52 | 38 |
93 | 76 |
128 | 114 |
167 | 152 |
201 | 190 |
材質:SS400
ヤング率:211000(MPa)